世界戦を振り返って〜鈴木博司〜

鈴木博司です。

みなさま、この度はご支援、ご協力ありがとうございました。私は世界選手権は7回目なのですが、今回8年ぶり、フランスのララーニャ以来の世界選手権となります。家庭の事情や、エリアのリスクもあるかと思って何回か出場を辞退させてもらったのもあるのですが、ブラジリアというエリアは、前回14年前の世界選手権にも出ていますし、エリアのこともよく知っているし、すごく飛びやすくていいエリアだったので、またブラジルの大会で、成績を残せればと思って準備をしてきました。

プレ大会に出てないので、万全の体制ではなかったですが、トレーニング等国内での準備はしっかりできたと思います。今まで世界選手権に何度か出させてもらって体力的に厳しいことが何回かあり、後半疲れてきて、その分集中力が欠いてしまって、成績が落ちてきたことが何回かありました。それを打開するべく、なるべく体力が落ちないように、ハングエイドを立ち上げていただいた4月くらいから本格的にトレーニングを開始しました。そこで4月から大会までに目標で100時間飛ぼうと思い、普段から家族、クラブの方にも協力してもらって頑張ってきました。結果的に、梅雨の時期もあったりして、80時間くらいしか飛べなかったのですが、長時間・長期間飛ぶ体力は付けられたと思います。今回筋トレもして、ウエイトも4,5kgアップできていたのですが、ハングを飛んで、そういう体を作っていくのが大事だと思って、今回は今まで以上に練習フライトに励み、かなり荒れたコンデションでも歯を食いしばって頑張って飛んできました。

僕はもちろん個人成績も表彰台、最低でもベスト10を目指して飛んできたのですが、それ以上に日本チームとして表彰台に上がるのが前々からの夢、目標でした。今回のメンバーは、表彰台を充分狙えるメンバーだと思っていたのでみんながベストを尽くせば表彰台も夢ではないと僕自身も期待しましたし、それを目標に頑張ってきたつもりです。世界選2日目に4位まで上がって、さらに上を目指せるかなと思ったのですが、由路くんの怪我があったりとか、他の選手がなかなか実力が出せない日もあったりとかで、順位が落ちてきて結果的に7位になってしまいました。実力的には3位も全然夢ではないだろうと思いますし、そのためにはみんながベストを尽くして、個の力を上げて行かなくてはいけないけど、3位は夢ではないと思います。僕も47歳になるんですけど、まだまだ若い人だけには任せられないと正直思います。次回はイタリアなんで大門さんにも出ていただいて、表彰台に上がるには大門さんの力が必要で、それが僕の刺激にもなるし、若い選手にも刺激になる。またモチベーションを上げてもらって頑張れればなあと思います。僕は正直、大門さんを過去の世界選手権では意識し過ぎてしまうことがありました。世界選手権の中でも、日本チームの中で競争してしまう意識がある人もいるし、ない人もいるし、僕個人はそういう意識があったことがありました。今回は、チーム3位を目指すってことで、大門さんがいい飛びをすれば、僕も心から嬉しいと思いましたし、みんながいい飛びをすれば、チームに貢献してもらえるので、それはそれですごく嬉しかったし、励みになるし、心から喜べました。

僕が僕自身のためだけに飛んでしまうと無理をしすぎてしまったり、途中で降りてしまったり、変な飛びをしてしまったりすることもありましたが、チームのことを考えられると、より落ち着いて飛べたかなぁと思ったりすることもありました。それでも、攻めが足りないところやスタートのミスが多かったのでその辺を練習し、レベルを上げていきたいとすごく感じました。スタートがいいときは、その後のフライトも順調でトップに絡めることもあったので、僕は上げにはかなり自信があったので、今回の世界選手権でトップの選手と絡んでも抜くこともあったし、サーマルのトップに行くことも多かったんですけど、それがずっと続けられるかというとできなかったことも多かったので、その辺の飛び方、判断、攻めるところは攻めるという部分が足りなかったのかと反省しています。再来年はイタリアの世界選手権なので、来年はプレも行って、クリスチャン、アレックスとも話をしたんですけど、連れていってもらえれば、一緒に飛びたいと思います。世界レベルの選手とと一緒に飛ぶ機会が多くないと自分のレベルが上がっていかないと思うので、また、来年、再来年に向けて準備していきたいと思っています。

ありがとうございました。