鈴木博司インタビュー


大学3年の時(1990年)の北海道ツアー


1993年の秋田県の十ノ瀬エリアの大会


1995年スペインのアジェールで行われた世界選手権(初の世界選手権出場)

〜前半〜

1Q.ハングを始めるきっかけは何でしたか?
A.入学した大学にハング・パラのサークルがあり、変わったことをやってみたくて入部したのが始めたきっかけです。
Q.どこのスクールでハング習いましたか?
A.一番最初はサークルの先輩に千葉県館山市の砂山で教えていただきました。その後SET信濃平で講習するようになりました。
Q.インスタラクターはどなたですか?
A.藤沢さんと酒井さんです。
2Q.どんな講習生でしたか?
A.普通だったと思います。
講習日数は1週間だったのでちょっとうまかったかも。
3Q.学生の頃の楽しかった思い出は何ですか?
A.サークルの先輩・後輩と行ったフライトツアー(九州、北海道)ですね。
4Q.初飛びはどこのエリアで、機体は何ですか?
A.長野県の信濃平エリアです。機体はコスミック145です。
Q.初飛びの感想を一言で教えてください
A.当時のログブックを見ると「初飛びというのにあまり緊張しなかった。まわりを見る余裕もあったがサブランにボディーラン。無線で言われる前に8の字をかいてしまった。」と書いてありました。
5Q.大会に出ることになったきっかけは何でしたか?
A.サークルの先輩に誘われたローカル大会にでたことですね。
Q.初めて参加したHS(ポイントシステム)の大会教えてください。
A.1991年の獅子吼で行われたデサントバードマンカップ。18位でした。
6Q.大会で初めてゴールしたのはどの大会ですか?
A.覚えてなかったけどログブックを見たら1992年の丹沢スカイグランプリでした。
Q.初ゴールの感想を一言でお願いします。
A.申し訳ないですが、ほとんど記憶にないです。
7Q.どうやって上手くなったのでしょうか?
A.とにかくよく飛んでましたね。あと2機目のグライダーが結構コントロールが重かったAXISカリフォルニアというグライダーだったので鍛えられたのかも。
8Q.フリーフライトで気をつけていることは何ですか?
A.その日のコンディションを最大限に引き出すことを考えて飛んでいます。
移動範囲、フライト時間など。
9Q.今までで一番印象に残っているフライトを教えてください。
A.一番というと難しいですが、今回の世界選手権が開催されるブラジリアの大会(2003年の世界選手権の前に行われたブラジル選手権)で初めて湖超えのブラジリアにゴールしたフライトがとても印象に残っています。トップゴールかと思っていたら、湖超えでビビって高い高度でファイナルをかけたら下から抜かれて2番目でした。ビルが立ち並ぶ首都にゴールするなんて経験がなかったので痺れましたね。
10Q.今まで飛んだエリアで、ご飯が一番美味しかったエリアはどこですか?
A.海外でならスペインかな?ブラジルはシュラスコが美味しかったけど、豆料理はちょっと苦手。
やはり日本が一番美味しいですね。
11Q.飛んでいない休日は何をしていますか?
A.なんだろ、何かしら仕事してるかな。
12Q.ハング以外の他の趣味ありますか?
A.特にないですね。
13Q.得意料理はなんですか?
A.餃子は家でよく作りますね。
14Q.好きな音楽はなんですか?
A.最近あまり聞いてないけど、ビリー・ジョエルは昔から好きです。
15Q.ハング以外で他のスポーツをやっていますか?
A.特にないですね。
16Q.過去やっていたスポーツを教えてください
A.中学生の頃に器械体操やってました。
17Q.尊敬しているひと教えてください
A.自分より優れた物を持っている方は年齢、職業など問わず尊敬しています。
18Q.ハングでの師匠、メンター教えてください
A.一番影響を受けたのは今嶋さんですね。
19Q.ハング界でのライバルを教えてください
A.日本ではやはり大門さんでしょうね。海外ならアレックスにしときますか。
20Q.目標としているハングの選手を教えてください
A.昔ならトーマス・スカネック、今はマンフレッド・・ルーマーですね。
21Q.好きな食べ物は何ですか?
A.ラーメン始め麺類。
22Q.好きな色は何色ですか?
A.グライダーのカラーではパープルをよく使いますが、ブルー系ですかね。
23Q.ハングを辞めそうになったことありますか?
A.ないですね。
24Q.ハングで挫折したことありますか?
A.デモフライトで気合い入り過ぎてクラッシュしたことがあります。
スクールで怪我人が出るとやはりかなり凹みますね。
25Q.テイクオフで集中力アップ、気分あげるためにしていることありますか?
A.あまり気分を上げると調子乗りすぎて失敗することもあるので、常に平常心を心掛けています。
26Q.ハングのなかでどの部分が好きですか?
A.クロスカントリーや新しいエリアでまだ見たことのない素晴らしい景色を見られるとこです。バリオの音が一定になるほど安定しているサーマルでのソアリングも好きです。

〜後半〜

1Q.ハングで有利な体型、身長、体重はありますか?
A.ある程度の身長と体重は必要でしょうけど、バラストとかでなんとかなるでしょ。
2Q.好きな旋回方向はありますか?
A.昔は左旋回が得意でしたが、意識的に右旋回を練習したので今はどちらでも大丈夫です。
3Q.ハングのために筋トレをしてますか?
A.逆立ち腕立てとか懸垂とか。
4Q.競技フライトする前、ブリーフィングから飛ぶ前に何を考えてますか?
A.フライトコース、その日のコンディションなど。山の往復タスクならどこでどれくらい上げて進むか、沖に出るタイミングや戻る場所などのフライトイメージをしますね。
フラットランドでも分かる範囲で地図を見ながら大体のフライトコースをイメージしますす。
5Q.競技フライト中は何を考えていますか?
A.サーマルの出そうな場所とか、どこが早く上がるかとか。それほど変わらないと思うけど。
6 Q.競技で勝つには、何が必要ですか?
A.ソアリング技術、判断力、メンタル。
7Q.(競技)フライトでの得意な技術、または得意な気象条件は何ですか?
A.ソアリング技術。渋くてもガンガンのときでも分かりやすいコンディション。
8Q.(競技)フライトでの苦手な技術、または苦手な気象条件はなんですか?
A.トリッキーなコンディションなど微妙な判断力が試される条件。
9Q.上記7を伸ばしたり、上記8を克服するため
A.何かトレーニングしていますか?もしくは気をつけていることは
ありますか?
A.理想のセンタリングに近づけるように気をつけています。
冷静な判断ができるよう空中では常に頭はクールに、また自分自身を俯瞰できるように心がけています。
10Q.今回の世界選手権の参加予定の機体、サイズ教えてください。
できればモデルイヤーも。(2017モデルなど)
オプションも教えてください。
差し支えなければそのオプションを選択した理由も教えてください。
差し支えなければ現在のフックインウエィト、世界選手権でバラスト積む予定ならその重さも教えてください。
A.2017年モデルのラミナール13.2。
テクノーラセール、コンペティションAフレーム、カーボンリアリーディングエッジ、カーボンバテン、カーボンインサート、スピードエアロホイル、ウイングチップ。
フックインウエイト(バラスト込)は80kg。その時の体重にもよりますが、4〜8kgのバラストを積む予定。
11Q.世界選手権は、日本の競技と違い、長丁場、連日長時間のフライト、宿舎に帰ってくるのが遅く十分な睡眠時間が取りにくいなど過酷だと思います。
世界選手権を最後まで戦い抜くために気をつけていること、新たに取り組んでいることを差し支えなければ教えてください。
A.世界選手権はハイレベルな戦いとなるのでひとつの大きなミスが致命傷となります。前半でのミスはその後のモチベーションにも関わってくるのでミスをしないよう、なおかつ攻める飛びをする。
体力を消耗しないよう毎日早くゴールし、しっかりと睡眠と栄養を取る。
また、体重を5kgくらい増やして大会に臨みたいと思います。
12.Qブラジリアとの相性はどうですか?
A.いいと思います。
前回の2003年の世界選手権の時は、最終日デイリー2位でした。
途中2回ほど大きい失敗をして総合順位は40番代でした。
Q.大きな失敗2つとはどんな失敗だったのでしょうか?
A.タスク中盤で低く動き過ぎて降りてしまったことです。
確か展開があまり良くない状況で焦っていたことが原因だったと思います。
どうしても長丁場の大会だとミスを犯すことは誰でもあると思いますが、
そのような状況でも焦らずにミスを最小限に抑えることが重要です。
13Q.目標 個人優勝に対して
A.厳しい目標だと思います。
Q.2003年(前回のブラジル世界選手権)の時と比較して、選手としての実力は比較するとどうですか?
A.体力的には落ちてきていると思うが、技術的には上がっていると思います。
また、失敗もしなくなってきていると思います。
Q.技術的にはどこらへんが上手くなったのですか?
A.ソアリング技術です。
Q.ソアリング技術のどこらへんですか?
A.ソアリング技術に関してですが、特にこれと言った具体的なものはなく経験を積んでうまくなっている感じるだけです。
でも、まだまだ思い通りのセンタリングができていないので、更に精進してなくてはと思っています。
14Q.今回は、大会は前にブラジリアでの大会に出ますか?
A.世界選手権の前にブラジル選手権が開かれると情報ありましたが
実際は開催されなくなりそうです。1週間前に現地入りして調整する予定です。
15Q.世界選手権までに国内で大会がなくて調整しにくいのではないでしょうか?
A.ヨーロッパの大会も検討しましたが、スケジュール的に無理でした。
韓国でGWと6月の大会を誘われていて、GWは準備が間に合わないので無理ですが、6月は検討中しています。ただし、韓国の政治状態が不安定のため躊躇しています。国内で、フリーフライトで調整していくことになります。
16Q.スクールで、土日は飛べないので、練習フライトは一人でフライトするのがメインですよね?
A.学生の時から1人でフリーフライトでの練習はなれてるから大丈夫です。
インタビューご協力ありがとうございました!
世界選手権頑張ってください!
応援しています!