田中元気インタビュー

〜前半〜

Q.ハングを始めたきっかけを教えてください
A.サークルの飲み会です。大学の掲示板を見て友達と参加しました。先輩(ミッチーさん(永光さん))に「空を飛ぶ夢を見たことはありますか?空飛べます!」と言われたのが印象的でしたね。  
習ったスクールはNASAでインストラクターは中島社長でした。
Q.どんな講習生でしたか?
A.初飛びまで毎週ほぼ欠かさず講習へ行っていました。テスト期間だけ行かなかったんですが、友達はそれでも行っていて、先に初飛びされて悔しい思いをしました。   7月には初飛びして1年の終わりには150本以上飛んでダブル(LaminarR)に乗り換えました。
Q.学生の頃の楽しかった思い出は何ですか?
A.全国のみんなと競うのが楽しかったです。 他にはみんなで色々なところにツアーに行ったり、夜な夜な飲んで語り続けたりってのが好きでした。
Q.初飛びはどこのエリアで、機体は何ですか?
A.エリアは足尾で機体はステディ15です。
感想はスゲーーーーーー!!!!の一言!テイクオフ直後に「気持ちいいぃ!!」って叫んでしまって、おめでとうより先に「シャウトはPupじゃ!!」(テイクオフしながら叫ぶのはP証になってからという意味)で怒られました 笑
Q.大会に出ることになったきっかけを教えてください
A.身近な先輩がハングシリーズにでていた影響で俺も出る!!ってなりました。   
Q. 初めて参加したHS(ポイントシステム)の大会を教えてください。
A.初めての大会は2年生の時に出た獅子吼のデサントバードマンカップという大会です。
Q.大会で初めてゴールしたのはどの大会ですか?
A.4年生のときの足尾(10月ごろ)のEJCです。
Q.初ゴールの感想を一言でお願いします。
A.うれしかったです!
Q.どうやって上手くなったのでしょうか?
A.とにかく飛びまくる!
ものすごく飛んでいた上手い先輩や板さんを追いかけたいっていう気持ちが強かったですね。上手い人と一緒に飛んで追いかけて、飛び終わった後に気になったところを聞いたりしました。あとフライヤー雑誌を見たり。LOGは途中から書いてなかったですが、記憶力には自信があって、毎回のフライトをよく覚えていました。「この条件のときにここで上がったよね?」とか頭の引き出しを増やしていって、それを引き出せるように意識してました。
Q.ソアリングが上手くなるにはどうすればいいでしょうか?
A.ぶっ飛んでもいいから、とにかく上げ方をいろんな方法で試してみる。バンクを変えたり、少し押してみたりとか。バリオの音を消して飛んで、感覚に集中するのもいい練習になる。 あとセンタリング中もグライド中も風切り音を気にしています。
Q.フリーフライトで気を付けていることはなんですか?
A. 降りないように、行きたいところに行くようにしています。
飛ぶ前にも考えていますが、最初のサーマルで上げている間にまたプランを考えています。
Q.今までで一番印象に残っているフライトを教えてください。
A.2014年に足尾山から6時間かけて、201km飛んだクロカンです。
十分一が見えたときはキターー!!!って思いました。
Q.飛んでいない休日は何をしていますか?
A.子供と遊んでます。
1日家にいるのがもったいないので、今も昔も休日に家にいることが少ないです。
Q.ハング以外のほかの趣味はありますか?
A.趣味は温泉巡りです。
Q.過去やっていたスポーツ教えてください。
A.小中高と野球をしていました。ハングに活かせたことは講習時代体力があったのと声のデカさですかね。 運動神経がよかったので覚えるのは早かったと思います。
Q.ハングでの師匠、メンター教えてください。
A.板さんと大門さんです。
Q.ハング界でのライバル教えてください。
A.皆ライバルですが、板さんや大門さんや博司さんは師匠であり、尊敬している人でもありライバルに近い存在だと思います。  
同年代ではムタさん(牟田園明さん)だと思います。
Q.ハングでの目標はなんですか?
A.学生の頃は世界選手権に出て世界チャンピオンになりたいと思っていました。 社会人になってからは日本チャンピオンになることで、金メダルを取ることが憧れでした。2年前に日本チャンピオンになったときはものすごく嬉しかったです! 今は記録記憶に残るような(クロカンの日本記録の新記録)フライトをする。外人にGENKIすげーーじゃん!って言わせたい!
Q.ハングを辞めそうになったことありますか?
A.やめようとは思ったことはないけど、飛んでていいのかなって思ったことはあります。  タンブルしたことがあって、次のフライトから荒れているときとかにベースバーをぎゅって強く握っちゃうくらいに怖がったりしていましたが、空中で「怖いんだよ!バカヤロー!」って叫びながら克服しました笑  怖いからって飛ばないと余計怖くなるから、とにかく飛びました。
Q.テイクオフで集中力アップ、気分あげるためにしていることはありますか?
A.テンションを上げ過ぎないようにしています。上げすぎると空回りしがちなので。あとハーネスの準備を完成しちゃうと待ちきれずにすぐ出たくなるので、あえて途中までしか作らないようにしています笑  
グラサンをかけた時に自分中で飛びのスイッチを入れてます。
Q.ハングのなかで、どの部分が好きですか?
A.飛んでいて気持ちがいい!
自由になれて気にしなきゃいけないことを忘れさせてくれるとこです。   明日やんなきゃいけない仕事溜まってんだよな〜って思いながらフライトしちゃったら最悪です 笑

〜後半〜

Q.競技で勝つには何が必要ですか?
A.タスクの中盤や終盤にやってくる勝負所を間違えないことです。どのサーマルを使い、捨てるかの取捨選択と雲の周期を考えつつのコース取りが重要だと思います。
Q.(競技)フライトでの得意な技術、または得意な気象条件を教えてください。
また、(競技)フライトでの苦手な技術、または苦手な気象条件を教えてください。
 
A.特にないですが渋い条件が弱いと思います。渋い条件での岡田さんやとのやん(外村さん)のねばりがすごいと思います。
Q. 上の得意な点を伸ばしたり、苦手な点を克服するために、何かトレーニングしていますか?
A.とにかく降りないよう飛び続ける。
Q.今回の世界選手権の参加予定の機体、サイズを教えてください。
A.COMBAT GENKITANAKA 13.2  2009年モデル   フックインウエイトは80kgくらいです。   バラストは4〜5s積む予定
Q.世界選手権は、日本の競技と違って長丁場ですし、連日長時間のフライトで宿舎に帰ってくるのが遅く、十分な睡眠時間が取りにくいなど、過酷だと思います。世界選手権を最後まで戦い抜くために気をつけていること、新たに取り組んでいることを教えてください。
A.今大会は、宿の手配、航空券の手配、グライダー運搬のための手配段取りなど、飛ぶ以外の準備がなかなか大変です。 フライト準備としては、機材の整備を、メインに。もっとレース感を養うようにタスク組んで飛んだりをしたいのですが、条件が合わなかったり予定が合わなかったりしています。世界選がブラジルじゃなかったら、参加してなかったと思います。ずっとあこがれていたブラジルでの大会なので楽しみです
インタビューありがとうございました!!
ブラジルにそんな強い思い入れがあったとは、知りませんでした。COMBAT GENKITANAKA 13.2 ←そんなモデルがあったんですね?こちらも初めて知りました!
現日本チャンピオンの田中選手、ブラジルで大暴れしてきてください!期待しています。