大門浩二インタビュー

brasilia launch
上:テブノの家に居候して大会を転戦してたとき観光に行った近くのお城
下:イタリアでの世界選手権が終わってニースに観光したとき

〜幼少時代の大門浩二〜

ム:どんな少年でしたか?何をして遊んでいましたか?
大:田舎だったので殆どが外遊び。昭和の遊びの缶けりとか面子。
田んぼで魚取りドジョウすくい。
親と一緒に魚釣りや山菜採りと田舎標準のガキんちょですね。
町内の神社の境内の軒下に秘密基地作って拾ってきたエロ本隠したり、、、
小中高はサッカー少年。
これまた当時の地方サッカー少年の定番の何でもありのちょい悪系 ?
ム:どんな感じで???
大:いちばんヤンチャしてたのは中学校の頃で、高校の頃にはだいぶ落ち着いてたかなぁ
高校は工業高校だったから、放課後は作業服を着て大人の球技にいそしんでいたよ
ム:子供時代で思い出に残っているエピソードは?
大:意外に体の弱い子でした。木から落ちて流血したり、山から転がって肩やひじの関節はずしてお袋に入れてもらったりがしょっちゅう。
もっと小さい時は首が曲がったまま直らなく(斜頚のひどいの?)医者に見放されていたのが、神の手と言われてたマッサージ師に直してもらったらしい。
中学の時は尾崎豊の先を行っていたので、親父に殴られたのはさすがに響きました。
ム:うーん、これ以上は聞かないでおきましょうww

〜父親として、夫として、男として〜

ム:家族からどんな風に扱われていますか?
大:わが道を行く自由な人と思われているようだ。
ム:家事の中で受け持っている役割などありますか?
大:特に何も無いか も。男仕事とか力仕事とかはちゃんとやってますよ。後はペロ(愛犬)の散歩。
ム:どんな親父であろうとしていますか?
大:本気でやりたいことや好きな事なら何でもいいから、一生懸命やって一番を目指してみろと。
一番っていいぞ ! と、親父の背中を見せられるように。
子供がやりたいと思うことは基本すべてやらせたいが、金銭的に無理でなければ、、、
ム:最近の奥さんとのデートを教えてください!
大:父ちゃんの稼ぎか少なく、子供もお金のかかる年頃になってきたので、母ちゃんもパートで働くようになって、、、デートする時間がなくてさみしい。
たまの平日の休みの合う日に蕎麦食いに行ったり、アウトレット行くくらいかな。でも今でも毎日がデートって感じです !
ム:夫婦円満?の秘訣は??
大:円満 ? ですよ ! 愛し合う事でしょ !
ハングのインタビューじゃなかったっけ ??
ム:ちなみに初恋はどんなでしたか?
大:畠山くにちゃん !(実名出していいのか ?) 近所の友達の隣に住む色白なかわいい子。
友達のうちに遊びに行くのを口実にして、その子に会えるのが楽しみだった。恥ずかしくて思いは告げられなかったなぁ。
何のインタビューじゃ !?

〜パイロットとして〜

ム:ハング以外で飛びに活きている経験は何かありますか?
大:自然の中で遊んでると観察力とかは活かされてるのかな。虫取り、山菜キノコ取り、魚釣り。
サッカーでの空間認識とかの判断も活きてるのかどうか ?
一時期のパラグライダーでの飛行経験は活きてると思います。性能が悪い分失敗できないし、よく観察して判断しないとすぐ降りちゃうから。
あとハングでは使えないリフトを使えたり感じ取れたり。風の変化もハングよりわかりやすい。
後は性格かな、一つのことに固執しない、あまりくよくよせず開き直って次の事を考える。気が利くので周りの観察も出来てるのかも ?
博打、ギャンブルの類もある意味、観察と考察・判断につながる所はあるかな。自分はやらないけど。
ム:大事にしている格言やポリシー、座右の銘などあれば
大:雄弁は銀にして沈黙は金なり。と、ガキの頃は思ってたけど大人になってそれではいけないことが分かった。
他人から見た自分も自分。自分はこうなんだと思っていても日々反省して改心してます。簡単には変わらないけど。
心の中では友人から教わった、他人くたばれ吾繁盛という気持ちを隠しつつ、いつも笑顔で気の利く優しいおじさんを演じてます。
ム:パイロットとしての自分の長所と短所をどう自己分析していますか?
大:長所は、我慢強くて余り気にしない性格だと思うので 、タスク途中での失敗も開き直って集中できることかな。
後、色々試してみたい。今ここが上がるかなとか、このタイミングでこのコースかなとか考えると試してみたくなる。
反面、競技中に色々試してみたくなって失敗したり、ある程度先を見切ってしまって萎えてしまうのが短所かな。
ム:世界戦に向けて何かトレーニングはしていますか?
大:特に特別なことはなく、筋力トレーニングくらいかな。年齢的に、サボっていると明らかに筋力が落ちるので。
ム:道具へのこだわりがあれば教えてください
大:道具は一番大事だと思ってます。
そもそも日本では経験できないコンディションで相手と戦わなければならないわけだし、特にグライダーとハーネスは常にベストなもので戦わないと同じ土俵で競技できません。
グライダーは性能とコントロール性と安全性のバランスが難しく、出来るならメーカーに行って自分オリジナルなグライダーに仕上げたいくらいです。
ハーネスもしかりで、自分の体に合った疲れない物で極力抵抗の少ないシェイプになるように削ったり縫い直したりしてます。
ム:どんな生き方を目指していますか?
大:お金持ちになって悠々自適に暮らしたいとこですが無理なので。
自分の時間を自由に使えて、ハングパラに携わった仕事をしながらのんびり過ごして生きたいものです。
熟年離婚されないように母ちゃんと末永くラブラブで。
ム:10年後のイメージを教えてください。まずはパイロットとして
大:世界選手権クラスの競技は引退しているでしょうが、日本選手権や賞金大会には出場するでしょう。
誰よりも早く高く上げる、誰よりも先により強いリフトを見つける渋いパイロットとして角あり、シングル、フローターと乗り換えて飛び続けたい。
ム:人としての10年後は?
大:本気で上を目指したい人にはサポートしてあげたいですね。

〜最後に〜

ム:もし自分が今競技を始めて大門浩二を倒す立場になったとしたらどんなアプローチをとりますか ?
大:まずは今ある知識をすぺて吸収する。特にグライダーの本や気象の本など。近年ではハングパラの本も多く出ているので最低限知識は吸収すること。
テイクオフランディングの基礎技術は絶対条件。出たいときに出れる、読みを失敗したときでも安全に降りれる。これがなければ競技は出来ない。
飛びながらどれだけ知識を思い出し、現況を観察し、照らし合わせて判断することで身につける。
頭の考え方としては大事なことは、何処にどれくらいのリフトがあるか、どのタイミングで、どのコースが上がるのか下がるのかなどを常に飛びながら考える。
なので体を動かす技術的なことは条件反射的になってなければならない。目と頭は先を考える。
これらの練習フライトを常に心がけることが大事。
ただし、人を見て判断することには頼らないでほしい。
他のパイロットはあくまでも同じ空域で飛んでいるだけで、リフトや風の判断材料の一つとしてしか捉えないほうがよい。
可能なら出場できる競技会にはすべて出場して経験値をあげること。海外のトップパイロットとの競技フライトも可能なら2−3年は続けてほしい。
時にはトップパイロットをストーカーフライトして技術や判断能力を学ぶことも大事。
大門浩二はそんな経験をつんできたので、最低限同じ事すれば同じレベルに立てる。
その上を目指すならもっともっと海外に出る事ですね。
ム:後輩パイロットへ何かアドバイスをもらえますか?
大:基礎技術と安全がないと何も出来ない世界です。
飛行技術と経験を積みたいならば、より多くの時間を費やして考えて経験する必要があります。
飛ぶだけで楽しい、上手くなるのが楽しい、クロスカントリーや競技で結果を出したいなど自分なりの楽しみ方を見つけてくれればいいと思います。
ただ、普段の生活と環境が伴う事なので、自分の価値観にあった環境を作って楽しんでもらいたいものです。