世界戦を振り返って〜質疑応答〜

(内田) スタート前は高いのに、気づいたら降りている時は、何をしていましたか?

(名草) それは僕も本当に知りたいことなんですけれど、、笑 ライブトラックを見て応援していただいてありがとうございました。 そうですね、結構僕は順位が低かったので毎日毎日アーリーバードを申請していました。アーリーバードって池田山だったら4人しか選ばれないんですけれど、ブラジリアのテイクオフは4レーンあって、1レーンにつき3人選ばれるので、12人選ばれるんですね。4レーンあるから、みんなそんなに急いでアーリーバードに行かなくてもスタートまでには上がるなということで、希望者も少なくて、ほぼほぼ、8割くらいはアーリーバードに当たって早めから飛んでいました。なので、1時間半くらいずっとガグルの中を飛べて、で、いい感じに飛べているのに、スタートになると低くなるんですね。な、なんで、、ってなってました。で、スタートして、次のサーマルに行くまでに、またちょっと低くなったくらいで、リカバリーする能力が低いというか。なんか、ピンチになる場面ってどんな上手い選手でもあると思うのですけれど、でも、なんとか上げてくるんですよね、上手い方は。これができない。ひとりじゃ何もできないのか、、!!って思いながら、飛んでいました。僕もそのわけを知って、もっと上位に行けるようにこれからがんばります。

(小梶) 皆さん上げは勝てるって言っていましたけれど、グライド技術は、何が違うんですか?

(田中) グライド技術で何が違うかというと、私が一番違うなと思ったのは、3,000mとか雲底近くからグライドし始めたら別にそんなに変わるとも思わなくて、ガンガン引いている時はいいんですけれど、対地2,000m切って、そろそろサーマル探したいな、どこにあるかなって思ってちょっとスピードを緩めたりとかし始めて、し始めたそこら辺からガンガン差が出始めて。自分はスピードを緩めてちょっと滑空比を良くして探しているつもりなんですけれど、他の選手がびゅーって全然スピードを緩めないんですけど、何故か高度逆になんか向こうの方が高くなるくらいの。あれ、俺緩めて滑空比良くしているつもりなのに、あいつら全然速度緩めないぞ。だけど、全然低くならないぞ。なんだこれ、って思ったのが結構あって、じゃあ引いていけばいいのかと思ったら、それは下がるんですよね、やっぱり。どうしたらいいのって言うのが正直な。何が違うんだろうっていうのは、凄いクリスチャンに聞きたい。低いところでのグライドは、何か気をつけているところはあるのかとか、どうしているんだっていうのを、クリスチャン先生に教えていただきたい。今日も結構ガンガン行くんだよね。

(クリスチャン) It's difficult to answer because there were so many pilots, and I couldn't recognize everybody. I almost recognized, about the Japan team, I just recognized you after the six days. I recognized Hiroshi Suzuki because of his glider, but all the rest of Japanese team was difficult for me. I just took in my head who was Petr, who was Mario, Dan Vyhnalik, the fast pilots. Because it was so crowded in the air, especially at the start, it was impossible to recognize everybody.
So I couldn't say the difference between the my glide and Japanese team glide. Sorry.
I'm wondering if you, during the world championship, if any of you tried to make the starts with the fast pilots during the comp. Or if you just tried to do you own flying. Because condition in Brazil was so dry, we didn't have clouds, some clouds at the first day and some at the last, that flying without a gaggle was not impossible but really risky. And it didn't pay much. You risk a lot to have almost nothing because when there was not references for thermals, and we weren't even much high, didn't fly much high, so flying alone is worthless.
So I'm wondering if you guys, you the team tried to fly with the leading gaggle with the top pilots. You never tried during the comp?

(小梶) 9日間飛んで、だんだん疲れてきてうまくいかないなっていうことはありませんでしたか? 僕は二三日飛んだら全然ダメなんですけど。

(砂間) 昨日、磯本さんは疲れたって言っていましたけど、途中で氏家さんともそんな話をして、さっき元気とも言っていたんですけど、テイクオフが12時半くらいからで、僕らが飛ぶのがもうちょっと12時45分とかで、スタートが2時前後、飛べるのが5時ぐらいまでですね。なんで、フライトタイムが4時間くらいなんですよね。4時間くらいだと、僕とか氏家さんにとっては、全然普段から飛んでいる時間なので、全然疲れないというか、楽しい方が多くてですね、もう毎日毎日楽しくてですね、なんで終わっちゃうんだろうという感じで。僕自身は全くそういう疲れは最終日まで感じていなくて。で、最終日が、僕の中ではまあまあ速く飛べた方だったんで、僕に関して言うと、僕は板垣さんとか大門さんみたいに普段殆どトレーニングしていないんですよ。できるだけ飛ぶ時に長時間飛ぶっていうのが僕のやり方なんで。それで割と、飛ぶ体力は僕は自信があって、名草くんと同じくらい僕は、飛ぶのは問題なかったですね。

(小梶)疲れたなって思った人はいないんですか?

(砂間) 後ですね、やっぱりコンディションが渋くて、でやっとの思いでゴールした時は、流石にちょっと疲れたなと思ったんですけど、それでもゴールした満足感とかで、楽しい方が大きかったですね。

(田中) 後、今回は、エリアの特徴でもあって、ゴールが本当にブラジリアの首都の方なんで、ゴールすると、ほんとにすぐそこから車でぐっと行けばもう宿なんで。フォーブスとかみたいに帰ってくるのが夜中になるとか、開いている店もないとか、そういうのがなかったんで。まあ4時間くらい飛んで、帰って、ちょっとビール飲んでアミノバイタル飲んで、薬飲んで。薬っていう言い方もおかしいですが、マルチビタミンとか飲んで、ちょっと柔軟して、よし寝ようかくらいだったから、ちょっとびっくりするくらい疲れなかったというのがありますね。私も普段、大会を日本でやっていると、三日目四日目になるともう腕痛いよとか、疲れちゃったからもう良くない?とか思っちゃうときがあるんですけど、意外と今回は不思議に全然疲れなかったというのがありましたね。楽しかったというのが凄いあったのかも知れないですけど。それはびっくりなくらいでした。意外とアミノバイタルすごいんじゃないかと思っています。
多分、ほぼほぼ全員飲んでいたんじゃないかというくらいですね。凄いと思います。ちなみに砂間さんは飲んでいません。

(砂間) 時々、実くんから融通してもらって、ちょっと買ったりしてましたけど。僕は実は普段からそうなんですけど、テイクオフの段取りが悪くて、準備が遅いので、今回は日本チームは早く着いてテイクオフの準備する時間が十分あったので助かったんですけれど、食事を摂るのが、急いで食べると胸につまらせるので、ゼリー状のものを、200円くらいのやつを日本から買っていって、ウィダーインゼリーみたいなやつですね、高いやつ買うお金がないので、ちょっと安いやつを、日程分上手くハーネスに詰め込んで買っていって、それをテイクオフ前に飲んでやっていました。

(野尻) 我々、女子選手は非常に疲れますので、アミノバイタルを非常に多用しています。それも、飛んですぐ飲むのが、すごく疲れに効くということが判明しました。飛び終わったら、機体を片す前にアミノバイタル。

(加藤) アミノバイタルで盛り上がっているのでついでに。本当は、運動中に補給するのが一番良くて、それを実現するためにどうしたら良いかというと、一番いいのはキャメルバックに、水に粉末を溶かして、飛びながら飲むというのが本当はベストなんですけど、それが難しかったら、飛ぶ直前に飲んで、降りた直後に飲む、今降りた直後の話がありましたが、飛ぶ直前に飲むのが一番いいです。

(石坂) 貴重なお話ありがとうございました。聞いていて自分もモチベーションが上がってきたのですが、自分自身ちょっと伸び悩んでいるところがあって、世界選に行った皆さんから色々コーチして頂けたら嬉しいなというところがあるんです。ただまあ自分個人のことは置いておいて、底上げと言うか、日本人全体を上げていくための、今後みなさん自身じゃなくて、他の日本人を上げていくための施策というか、考えていることがあったら是非。

(鈴木ゆ) 僕からあるとしたら、みなさんやっぱり基本的にソアリングは上手いと思うんですね。よく上がると思うので、いいサーマルで上げきるのもいいんですけど、速く飛ぶためにはサーマルの中で一番強いところだけ使って、例えば雲底1,500mで、1,400mから上がちょっと上がりが弱くなるのであれば、1,400mでもう発射する、そういう飛び方がもっとできたら、みなさんもっと速く飛べるのかなと僕は思っています。

(大門) 普通のことだけれど、まず人より速く高く上げるのが一番大事。で、速く上げるためには何が必要かって考えて、高く上げるためには何が必要かっていうのを考えて、もう30年前からセールプレーンの本に書かれていることを、また勉強するといいと思うし。必要なところで必要な分だけの高度を判断して、それが一番いいリフトの高いところを使って動いちゃう。いま雲底まで必要なポジションだったら、雲底までシッカリ上げて、その時に、人よりも速く上げるためには人よりも強いコアを使わなくちゃいけないし、強いコアの中で一番上昇率のいい回し方をしなくちゃいけないし、テクニックも必要だし、判断も必要だし、一周回している間に自分より強いところがないか見ながら回していかなくちゃいけないし、見ている間はテクニックでコントロールしなくちゃいけないし、気は抜けないと思うし。今回の世界選なんかも、半周回っている間にもう動いちゃっているやつもいっぱいいるし、だからそういうのを普段からやっていって、とにかく人よりも高く速く、あるいはみんな同じレベルで上がるんだったら、人よりもちょっとでもいいから高く上げる、まあ雲中入っちゃったらそれはまずいけども、必要なところで必要な分だけ速く高く上げる、という判断とテクニックが一番大事だと思います。

(石坂) 技術プラス育成の何かってありますか?

(大門) NASAのスクール入って…

(砂間) コンペの飛び方については今大門さんからあったので、今聞いてて思ったのは、僕が大失敗したその2で、Day 3かな、Day 4かな、日本人は大門さんしかゴールできていなかった日なんですけど、実はその日はスタートが、あまりスタートまで上がらなくて、結局殆どのトップパイロットが、3回目のスタートを選択したんですね。一番最後のスタート。一番最後のスタートは割とガッツリ上がって、で、どんどんスピード出していけたんですけど。僕はその時、最後のスタートにはちょっと遅れたけれど、しっかり上がって大集団で飛べて。で、ほぼぴったりでスタートした大門さんの上について、凄い調子よく上がっていて。で、そこで事もあろうか大門さんよりも先に出てしまったんですね。まだ、高度が上がっているのに、まだサーマルの上昇率もまだ、サーマルが平均+4mだったのが、+2mくらいになったくらいかな。で、まだ高度がしっかり上がる状況だったんですけど、もう次のファーストパイロンが取れるし。で、もうガンガン先行したれと。多分そのガグル、僕が二番目から三番目に出て、次のパイロンを取って、その次のパイロンに向かって途中の渋いのをちょっと回して、これ渋いからだめだ、どんどん行こうって行って、近くをひろしさんも飛んでいて。その後ですね、前のガグルの下に入ってガツンと上げるつもりがですね、すかっとスカってしまいまして。ひろしさんはスカったって無線で言っていたんですけど。僕とひろしさんは、そこでほぼ大スタックをしてしまいまして。その後は上がって調子よくゴール近くまで行ったんですけど、結局そのスタックが響いて、最後のサーマルに間に合わずに、ゴールできなかったというのがありまして。で、やっぱり、良いサーマルはやっぱりしっかり上げるのが大事だなっていうのが、その時思いました。
で、さっき大門さんが言っていたように、今日もそうなんですけども、上手なみなさんと僕らがちょっと違うところは、上昇率が落ちてきて、もうこれ以上上げる必要が無いなっていう時に、見切りがちょっと早い。2, 3周余分に回している人が多いんだけれど、それをもうほぼ同時に、これ必要ないでしょって、どんどん行っちゃうってところが、積み重なってタイムが違ってくるのかなと思います。
で、繁人の質問で、育成とか僕もしたいですけど、僕自身は名草くんと一緒で飛ぶのが大好きでですね、今までで一番楽しいですね。初飛びした頃よりも、ソアリングを覚えたての頃よりも。だから、うまくなったほうが楽しいんです。後、一緒に飛びたいので、一緒に飛んで楽しいことをしようということです。
大佐山とか足尾とか板敷とかでみんなで一緒にクロカンするとすごく楽しいし技術も上がるので、一緒にやりましょう。

(加藤) 繁人くんが言っているメソッドになるかわからないんですけど、折角みんなでこうやって大会で日程をあわせて、仕事の調整をして、同じ日に同じタスクで飛ぶっていうのは、割と普通のようであって特殊なことだと思うんですね。なので、フリーフライトで飛ぶと、自分の思い通りに自分の気持ちいいように飛んじゃうじゃないですか。なので、せっかくこうやってタスク決めて飛ぶのも、敢えて制限をかけて、その何が差なのかというのがすごいわかりやすい折角のチャンスなので。
例えば世界規模で見たら、マンフレッドだとかゲロルフだとかが、ヨーロッパの良いエリアで塾をやったりして、繁人も参加したりしたのは知っているのですけど、それはすごいいい方法だと思うのですけど、それは大げさで参加するのも大変なので。日本人で一番参加できるのは、こういうコンペで日常的、まあ日常的ではないですけど、出れるコンペで、何が差なのかというのを最低限味わうというか見るために、折角同じ日程同じタスクでやっているので、自分の普段の飛び方をある意味捨ててみて、トップパイロットといったら広いですけど、自分が気になるパイロットの気になる飛び方をフォローしてみるというか、自分の飛び方をある意味捨てて、これは自分自身に言い聞かせているところもあるんだけど、さっきブラジルで結果が出なかったというのも、正に自分の飛びに固執しすぎているというのもあるので、そこを超えるというのは、人の飛びの可能性というか、人の飛びの上手いところを、せっかくだから得られるいい機会なので、大会は年間に5, 6戦しかないですけど、その貴重な機会を活かすというのが一番効率的な方法であるとは思います。

(牟田園) 世界選お疲れ様でした。凄い楽しそうで、いいなと思いました。砂間さんに質問なんですけど、さっきの話の中で、もっとスピードを意識してこれから飛んでいきたいという話だったのですが、ここにいる日本のパイロットの多くがその課題を持っていると思うので、もし考えている具体的なアイディアとかがあれば教えてください。

(砂間) シッカリ上がっていいコンディションでスタートを切れた時は、できるだけ先頭集団に付いていくということですね。付いていくというよりも、自分が先頭で引っ張るくらいのつもりで、しっかり長めの速いグライドをする。で、実は僕は今回で一番失敗したというか、失敗は多いですけど、初日のスタートがある意味もう失敗で、そんなに大失敗な位置じゃないですけど、中途半端な位置だったので、最初のグライドがスピードを出せなかったんですね。そのせいで、完全に前の集団に置いて行かれて、その後自分ではスピードを増したつもりが、ゴールしたら70番だったんですね。点はそこそこだったんですけど。その最初のグライドが、あまりに弱気すぎたなっていうのがありました。
僕はやっぱり、日本人の方では大門さんと実くんと元気とかひろしさんとかがグライド上手いんで、グライド上手いし、スピードも出せるというのがありまして。
まずみんなに言うと、基本的に最高速をそれなりに出せるようにしておくというのが大事だと思います。僕は普段霊石でグライド短いですけど、最後もう降りようかなという時は、3, 4kmですけど、80km以上、最後100kmくらい出す練習を毎回やっています。そういう練習の積み重ねだと思うし。確かに世界選のグライドをなんとかするという課題でちょっといいアイディアはないですけど、はっきり言うと、大門さんにいつも引き離されているので、大門さんに教えてほしいのと、大門さんに歯を食いしばってついていっても降りちゃうんだよね…まあ、難しい話なんですけど、ムタなんかはやっていると思うんですけど、シッカリ上げて、グライドをかける時は長めの速いスピードのグライドをする。そのためには先の状況が見えていないといけないんですけどね。あんまりプランがなくてすいません。

(牟田園) 普段のフリーフライトで何かできることがあれば知りたいんですけど。

(砂間) 質問の答えになっていないんですけど、僕が最近特にしているのは、回さない。今日もかなり、今日ゴールしている人はそういうことをやっているでしょうけど、山の往復でアゲインストのレグはリフトラインに乗せれば殆ど回さずに行けたので、あんまり回さないでグライドしちゃう、っていうのと、沖のレグでもシッカリ上げて上手くリフトラインに乗せるとあんまり落ちずに、今日の場合はパイロン間の距離が短いので、アゲインストのレグをそのままあまり回さずに取って、フォローは後は流していくという感じでいけるんで、速いグライドというのはまた別の話なんですけど、速く飛ぶにはあんまり回さずに飛ぶっていうのも、一つ考えて欲しいなと思います。